合成ダイヤモンドとは?天然ダイヤとの違いって?
2021.12.24
目次
合成ダイヤモンドとは、どんなダイヤモンド?
合成ダイヤモンドとは、機械や装置などを使って人工的に生成されたダイヤモンドのことです。人工ダイヤモンドと呼ばれることもあります。
天然ダイヤモンドと同様に、炭素(C)からできており、見た目だけでなく輝きや硬さなどの性質もすべて、天然ダイヤモンドと一致します。
つまり合成ダイヤモンドは、天然ダイヤモンドと性質的にはまったく同じものなのです。
天然ダイヤモンドとの大きな違いは、人工的に生成されたものか、自然に生成されたものかという点のみです。
合成ダイヤモンドの用途
合成ダイヤモンドは現在、その多くが工業用として利用されています。
具体的には、「地球上でもっとも硬い鉱物」という特性を活かして、ドリルの刃やのこぎり、砥石などの工作機械や切削道具として使われていることが多いです。
また優れた熱伝導性を持つことから、半導体の部品としても利用されています。
しかし近年では、ジュエリー用としての利用も増えてきています。合成ダイヤモンドは人工的に生成するからこそ実現しやすい、不純物を含まないピュアな輝きが魅力です。
最近では、合成ダイヤモンドを使用していることをアピールしたジュエリーブランドも増えつつあり、消費者からの注目も集まっています。
合成ダイヤモンドの作り方
合成ダイヤモンドの作り方は、主にHPHT(高温高圧)法とCVD(化学蒸着)法の2種類があげられます。
HPHT法とは「High Pressure and High Temperature」の略で、天然ダイヤモンドが地球内部で生成される条件を、忠実に再現したものです。
ダイヤモンドの成分である炭素は、地球の奥深くで長い年月をかけ、高温・高圧にさらされることにより、ダイヤモンドの結晶へと生まれ変わります。
HPHT法では、1500℃程度の高温と、5〜6GPaの高圧力を与えられる機械を使い、炭素から合成ダイヤモンドを生成します。
CVD法とは「Chemical Vapor Deposition」の略で、炭素を主成分とするガスからダイヤモンドを生成する方法です。
専用の機械内部に炭素を含むガスを充満させたあと、化学的に分解し、平板状にしたダイヤモンド結晶の上で結晶化させます。
CVD法ではダイヤモンドの大きさや純度を調整できるのが大きな特徴で、大粒でクラリティの高いダイヤモンドを生成することが可能です。
このようにして作られる合成ダイヤモンドは、天然ダイヤモンドのように紛争の資金源になったり、採掘現場における人権侵害を引き起こしたりする心配がなく、かつ環境破壊につながる可能性が極めて低い存在です。
そのため、非常にエシカルな宝石であるとして、近年注目を集めています。
天然ダイヤモンドとの違い・見分け方
天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドは、化学的な違いはほとんどありません。
また、見た目もほぼ同じであることから、天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドを肉眼で見分けることは不可能だと言われています。
では、私たちが天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドを見分ける方法がないのかというと、そのようなことはありません。
一部の合成ダイヤモンドには、天然ダイヤモンドと同じように鑑別書が発行されています。
またガードル部分に、合成ダイヤモンドであることを示すシリアルナンバーが刻まれているものもあります。
それらをチェックすることより、天然ダイヤモンドか合成ダイヤモンドかを見分けることが可能になります。
ジルコニアとの違い・見分け方
「合成ダイヤモンドとジルコニアは、何がどう違うの?」と気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から言うと、合成ダイヤモンドとジルコニアは別物です。合成ダイヤモンドの化学式が天然ダイヤモンドと同じ「炭素(C)」なのに対し、ジルコニアは「ZrO2」です。
また、モース硬度や光の屈折率も、合成ダイヤモンドとジルコニアでは数値がまったく異なります。
合成ダイヤモンドとジルコニアを見分ける方法は、意外と簡単です。ジルコニアはダイヤモンドに比べ、光を当てると虹色に輝くという特徴があります。
また、暗い場所では輝きが弱まる、息を吹きかけたあと、なかなか曇りが消えないというのもジルコニアの特徴です。
合成ダイヤモンドの価値・値段
安定した供給が見込める合成ダイヤモンドは、天然ダイヤモンドと比べると約30〜50%ほど安い値段で手に入れることができます。
では、合成ダイヤモンドが天然ダイヤモンドよりも価値が低いのかというと、そうとは言い切れません。
もちろん天然ダイヤモンドには、地球内部で何億年という時間をかけて生み出されたものだからこその希少価値があります。しかしながら宝石としての品質は、合成ダイヤモンドと大きな差はありません。
また合成ダイヤモンドには、エシカルなものであるという付加価値があります。
人それぞれ意見が分かれる部分ではありますが、合成ダイヤモンドも天然ダイヤモンドもそれぞれに魅力があり、単純に甲乙をつけられるものではないというのが、私たちJewelry Townの見解です。
合成ダイヤモンドの婚約指輪・結婚指輪はあり?
合成ダイヤモンドを婚約指輪や結婚指輪の宝石として選ぶという選択肢は、ありなのでしょうか?
一般的には、婚約指輪や結婚指輪は生涯に一度の記念品であることから、天然ダイヤモンドを選ぶという方が多いようです。
ただし近年では「サスティナブルジュエリー」という言葉が浸透しつつあり、ジュエリーもエシカルなものを選びたいという方が増えてきています。
また、見た目・質が天然ダイヤモンドと変わりがないのにお安く手に入るのであれば、合成ダイヤモンドでもかまわないという価値観の人もいます。
いずれにせよ、カップルがお互いに納得した上であれば、合成ダイヤモンドの婚約指輪や結婚指輪も選択肢の一つになり得るでしょう。
合成ダイヤモンドを取り扱う国内ジュエリーブランド
日本国内にも、合成ダイヤモンドを取り扱うジュエリーブランドは多数存在します。本記事ではその中から、特におすすめのブランドを厳選して3つ、ご紹介します。
SHINCA(シンカ)
画像引用元:SHINCA(シンカ)オンラインショップ|ジュエリー通販(最終閲覧日:2021/12/24)
SHINCA(シンカ)は、京都の老舗宝飾ブランドが立ち上げたサスティナブルジュエリーブランドです。
ダイヤモンドはすべて合成ダイヤモンドを使用。さらに、熟練のジュエラーの目に叶った、高品質の合成ダイヤモンドだけを選び抜いて使用しています。
長く使えるような、ミニマムなデザインも魅力です。
ENEY(エネイ)
画像引用元:GRAND OPENING CAMPAIGN – ENEY公式オンラインストア(最終閲覧日:2021/12/24)
ENEY(エネイ)は、高品質な合成ダイヤモンドのみを使用したサスティナブルジュエリーブランドです。
カットはVery good-Excellent、カラーはGカラー以上、クラリティはVVS〜VS2の合成ダイヤモンドのみを、厳選して使用しています。
パッケージにもリサイクル可能なスチールを使用するなど、商品だけでなく梱包にまでサスティナブルであることにこだわったジュエリーブランドです。
PRMAL(プライマル)
画像引用元:PRMAL [プライマル] | Ethical Diamond Jewelry(最終閲覧日:2021/12/24)
PRMAL(プライマル)も、合成ダイヤモンドだけを使用しているサスティナブルジュエリーブランドです。
「エシカルで上質なジュエリーを身近にする」をミッションに掲げ、生産から販売まで、すべてを自社でコントロール。それにより無駄なコストを省き、手に入れやすい価格を実現しています。
デザインはミニマムで個性的。エシカルなだけでなく、自分らしさも大切にしたいという方におすすめのジュエリーブランドです。
合成ダイヤモンドを上手に取り入れ、エシカルなおしゃれを楽しんで
お伝えしてきたように、合成ダイヤモンドは天然ダイヤモンドと同じ輝きでありながら、人や地球への優しさを両立させることが可能な宝石です。
ぜひ上手に取り入れ、エシカルなおしゃれを楽しんでくださいね。